今回のテーマは、体を前かがみにしたり、反ったりした際の腰痛の原因についてです。
腰痛について、病院に行っても原因がはっきりせずにどうすればいいかわからない人は、この記事をご覧ください。
こんにちは。
熊本の鍼灸整体師のひがしだいすけです。
簡単に自己紹介します。
僕は、鍼灸整体師(鍼灸師・柔道整復師)という肩書きで、日々の活動をしています。
そのため、施術とアドバイスを通して、体の不調や悩みを抱えている人の回復をサポートしています。
積み重ねた知識や経験をもとに、お役立ちセルフケア情報をブログにつづります。
腰が痛い場合は、多くの方が、まずは病院に行くと思います。
そこで、原因が分かればいいのですが、むしろ原因がはっきりしない場合が多いですよね。
病院の検査で原因が分かるものとして、ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症などがあります。
以上の症状は、レントゲン、MRI、CTなどの画像検査で原因がはっきりわかるものです。
逆に、原因が分からない場合は、以上の画像検査で異常が映らなかったということになります。
原因がはっきりしない場合は、シップや鎮痛薬を病院でもらって、
「とりあえずは、様子を見ましょう」
と医師に伝えられたりします。
様子を見ているうちに、痛みが楽になればいいですが、痛みが変化しない場合は、大きな悩みになりますよね。
そこで、この記事は、
「病院では腰痛の原因が分からなかった、でも体を動かすと腰が痛いから、その原因を知りたいし、さらに自分で対処するにはどうすればいいかも知りたい」
という人のために書きました。
とはいえ、この記事が、「病院では原因が分からない腰痛について」のすべてを網羅できるわけではありません。
しかし、少なくとも、病院の画像検査には映らない腰痛の原因について伝えるので、つらい腰痛を楽にするためのヒントになるかもしれません。
病院で原因が分からない腰痛を何とかしたい人は、どうぞこの記事をご覧ください。
骨盤の動きが悪いことが腰痛の原因になっている
前かがみになったり、反らしたりする際は、実は腰だけが動いているわけではないという事実があります。
腰を曲げたり、伸ばしたりといった動作をするときは、腰と骨盤が連動して動くようになっているのです。
だから、もし骨盤が動きずらい状態で、腰だけを動かそうとすると、腰が動けない範囲まで動いてしまって、腰が痛くなります。
このことを分かりやすく説明するために、たとえば、突き指を考えてみてください。
指が動いてはいけない範囲まで動くことで、起こるのが突き指です。
突き指すると痛くなりますよね。
突き指は、ボールが指にあたるなどの瞬間的な強い力で起こるから、原因がわかりやすいです。
でも、腰痛になると、それが生活習慣の中で徐々に起こるからわかりにくいです。
この項目では、順にその分かりずらい原因を解説していきます。
実は、腰は思ったよりも曲がらない!?
腰は、実は思ったよりも曲がらないのはご存じですか?
僕は、この事実を知った時はとてもびっくりしました。
腰は、50度しか前に曲がらない
そして、15度しか後ろに曲がらない
だから、腰だけで体を前に倒すとこんなものです。
そして、後ろに反らしたときは、こんなものです。
これに、骨盤の動きが加わることで、もっと腰が前に倒れます。
つまり、この動作が体を前かがみにする動作になります。
さらに、骨盤が後ろの倒れることで、腰をさらに後ろに曲げることができます。
つまり、これが体を後ろの反らす動作になります。
つまり、ここで言いたいのは、前かがみになったり、体をそらしたりする際に、腰が痛くなる原因は、腰にあるのではなく、骨盤が動かないことにあったということです。
それで、次に、なぜ骨盤が動かないのかについて考えてみましょう。
これも、結論から伝えると、股関節が固いから骨盤が動きにくくなり腰が痛くなります。
【前屈腰痛】体を前かがみにしたときの腰痛の原因
前かがみになるときは、骨盤が前に倒れないといけません。
そして、骨盤が前に倒れるためには、骨盤の後ろにあるお尻や太ももの裏側の筋肉が伸びる必要があります。
つまり、前かがみになった時に腰が痛くなる原因は、お尻や太ももの裏側などの股関節の後側の柔軟性の不足が原因かもしれません。
ということは、股関節の後面の筋肉が柔軟だと、骨盤が前に倒れて腰をスムーズに前に倒すことができるようになります。
結果的に、腰への負担が減って、体を前かがみにした時の腰の痛みも軽くなる可能性があります。
【後屈腰痛】体を反らししたときの腰痛の原因
体を反らすときは、骨盤が後に倒れないといけません。
そして、骨盤が後に倒れるためには、骨盤の前にある股関節の前面の筋肉や太ももの前側の筋肉が伸びる必要があります。
つまり、体を反らす時に腰が痛くなる原因は、股関節の前側が柔軟でがないことが原因かもしれません。
ということは、股関節の前面の筋肉が柔らかいと、骨盤が後に倒れて腰をスムーズに後に倒すことができるようになります。
結果的に、腰への負担が減って、体を反らした時の腰の痛みも軽くなる可能性があります。
ここまでで、体を前かがみにしたり、後ろの反ったりするときに腰が痛くなる原因を伝えました。
腰の痛みの原因に対するストレッチの方法
股関節のストレッチは、基本的にいろいろやった方がいいと考えています。
なぜなら、股関節の複雑な動きを作り出すために、股関節にはいろいろな筋肉が関わっているからです。
つまり、ストレッチの方法によって、伸ばせる筋肉も変わってくるから、いろいろやった方がいいということです。
とはいえ、忙しい現代人は、それほどストレッチに時間をかけられない人もいるかもしれません。
そこで、前かがみの腰痛と反らしの腰痛とで、2つづストレッチを伝えます。
もし可能であれば、4つともやった方がいいですが、時間がない場合は、各動作ごとの腰の痛みについてのストレッチをやってみてください。
【前かがみ腰痛の場合】股関節の後をストレッチする
股関節の後ろ側にある筋肉をストレッチします。
つまり、太もも後面の筋肉たちとおしりの筋肉たちのストレッチです。
太もも後面の筋肉たちをストレッチ
床に仰向けになり、膝を曲げた状態で太ももを抱え込みます。
そして、太ももを抱え込んだまま、膝を伸ばすとストレッチできます。
太ももの後面に伸びた感じがあれば、膝が伸び切らなくてもオッケーです。
10~20秒程度で、一日5回くらいを目安にストレッチするといいですよ。
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おしりの筋肉たちをストレッチ
椅子に座った状態で、伸ばすおしりの方の足を反対側の膝の上に載せます。
固い人は、それだけでもおしりが伸びますので、キープでオッケーです。
もし、まだストレッチできそうな場合は、体を前に倒してください。
体を前に倒す際は、腰は曲げずに伸ばしたまま骨盤を立てた状態で体を前に倒します。
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ここまでで、前かがみの動作で痛くなる腰痛に対するストレッチをお伝えしました。
次は、後ろ反らしで痛くなる腰痛についてのストレッチです。
股関節の前側のストレッチということになりますね。
【体反らし腰痛の場合】股関節の前をストレッチする
股関節の前側にある筋肉をストレッチします。
つまり、太もも前面の筋肉たちと股関節前面の筋肉たちのストレッチです。
太もも前面の筋肉たちをストレッチ
手を壁について、伸ばす方の足首を持って、上の写真のように後方に引いてください。
足を後方に引いた際に、太ももの前に伸びる感じがあれば、オッケーです。
かなり固い人だと、このストレッチができない場合があります。
その場合は、椅子を使ってください。
椅子の上に足を乗せるだけでも太ももの前に伸びた感じがある人は、上の写真のようなストレッチの方法もあります。
膝が痛くなる場合も、椅子を使って太ももの前をストレッチしてみてください。
股関節前面の筋肉たちをストレッチ
股関節の前をストレッチする場合は、伸ばす方の膝を床について、体をぐっと前進させてください。
上の写真では、右側の股関節の前をストレッチしています。
股関節の前の筋肉のことを腸腰筋といいますが、他にもいくつかストレッチの方法があるので、下の記事も参考にしてください。
股関節前は、ストレッチポールを使うのも良い
股関節の前のストレッチについては、ストレッチポールを使うのもいいかもしれません。
上の写真のように、ただ仰向けに寝ているだけでも、股関節を後方に引いている状態になり、股関節の前面をストレッチできます。
さらに、下の動画のように足をくるくると動かすのもいいですね。
ストレッチポールについては、使い方から、選び方まで説明した記事があるので、興味があればご覧ください。
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まとめ
股関節の柔軟性がなくなると、骨盤の動きが悪くなり、腰に負担がかかります。
その結果、腰が痛くなりやすくなります。
そのため、体を前かがみにしたり、反らすような動きをするときに腰が痛い場合は、骨盤の動きをよくするために股関節を柔軟にするようなストレッチをするといいです。
股関節のストレッチは、自分に合った方法で、いろいろなパターンをするのがいいです。
今回の記事では、股関節のストレッチを厳選して4種類お伝えしましたので、参考にしてください。