- デスクワーク中の正しい姿勢を知りたい
- デスクワーク中に正しい姿勢を維持できるようになりたい
- 肩こりや腰痛を予防して楽にデスクワークができるようになりたい
以上の悩みにお答えします。
デスクワークで、長時間、座った姿勢を続けると体の負担が大きく、肩こりや腰痛の原因になってしまいます。
こまめに休憩を取り、立ったり、座ったりなどできればいいですが、忙しい方はそれも難しいかもしれません。
そこで、せめて正しい姿勢で、楽にデスクワークをできるといいですよね。
この記事では、楽にデスクワークをするための正しい姿勢を要点に沿って伝えます。
- デスクワーク中は、おしりの後で座って骨盤を立てると正しい姿勢になる
- デスクワーク中に、正しい姿勢を維持するためのデスクワーク環境
- すぐにできるデスクワーク中の姿勢を正しくしても、疲れなくする方法
デスクワーク中の正しい姿勢と不良姿勢
まずは、デスクワーク中の正しい姿勢と不良姿勢について確認してみてください。
正しい姿勢
デスクワーク中に正しい姿勢を取るためには、耳と肩の前、おしりの骨盤の骨(坐骨)と椅子の接地面が一直線になるようにすればいいです。
そして、正しい姿勢にするための具体的な方法は、骨盤を立てて、体重をおしりの後にかけるといいです。
その他には、
- 足の裏のすべてが地面に設置するようにして、体を安定させること。
- 腕が浮かないようにして、机で腕の重みを支えるようにすること。
があります。
そして、繰り返しになりますが、
- 骨盤を立てる
- 体重をおしりの後にかける
というのは、特に重要なポイントになります。
骨盤を立てて、おしりの後で座る
上の写真は、正しい姿勢に黄色と赤色のラインを引いたものです。
それぞれ、黄色いラインは椅子とおしりの接地面で、赤いラインは、耳からまっすぐに地面に向かって引いたラインです。
赤いラインは黄色いラインの、若干後ろ側にあるのがわかります。
これは、正しく椅子に座る場合は、坐骨で座る必要があるからです。
上の写真は、骨盤を後ろ側からみた写真です。
そして、指差ししている部分が坐骨です。
骨盤を立てて、おしりの後で座ることで、骨盤にある坐骨といわれる部分に体重が載り、正しく座ることができます。
よって、椅子に坐骨で座って、デスクワーク中も正しい姿勢をとる際に気を付けるポイントは次の2つになります。
- 骨盤を立てる
- おしりの後ろで座る
上記の両方が満たせないと、坐骨に体重を載せて座ることができません。
坐骨は座る際に、地面に接すべき部分なので、もし坐骨で座れていない場合は正しい座り方ではありません。
次に、坐骨に体重をかけて座れていない不良姿勢を確認します。
不良姿勢を確認することで、自分が間違った姿勢をしていないかをチェックできます。
不良姿勢は、主に3パターンあります。
椅子が高すぎて不良姿勢になる
上の姿勢の問題点は、椅子が高すぎることです。
椅子が高いことで、次のような問題があります。
- 背中や首を曲げてパソコンを見てしまっている
- 足が地面についていないので、太ももやおしりの前に体重がかかって坐骨で座れていない
この場合、重心の位置が前方になるので、背中や首に力が入り、負担が大きくなります。
結果的に、肩こりや首こりになりやすいです。
椅子の高さは、足の裏がすべて地面に接するくらいまで低くすると、坐骨面で座りやすくなります。
骨盤が後ろに倒れた不良姿勢
上の姿勢の問題点は、次の点です。
- 骨盤が後ろに倒れすぎていること
- 背中が丸くなってしまっていること
骨盤が後ろに倒れすぎているので腰が丸くなっています。
この姿勢が習慣化すると、ストレートバック(まっすぐな腰)になり、立ち姿勢でも、猫背気味になる可能性があります。
ストレートバックというのは、骨盤が後ろに倒れて、腰の骨がまっすぐになることです。
ストレートバックについては、正しい姿勢で立ち、歩行するには?壁から離れ、重心と骨盤の2つを意識!にも解説しています。
ストレートバックの場合は、腰が痛くなる、ヘルニアになるなどの、リスクがあります。
反り腰で座ることによる不良姿勢
骨盤を立てて、腰が伸びているので一見すると、正しい姿勢に見えます。
しかし、次の点で問題があります。
- 重心が前により過ぎていること
- 常に腰に力を入った状態で、腰の筋肉が硬く緊張してしまうこと
この姿勢を習慣にしてしまうと、反り腰の状態になりやすくなります。
反り腰の判定法や、反り腰とは何かについて知りたい場合は、デスクワーク反り腰姿勢を判定して、自分で骨盤矯正する方法をご覧ください。
反り腰は、常に腰や背中に力が入った状態なので、腰や背中が痛くなりやすいです。
また、股関節の筋肉も緊張しやすく、股関節痛の原因にもなります。
デスクワークの姿勢を正しく保つ具体的な対策
デスクワークの姿勢を正しく保つためには、パソコン画面の位置がとても重要です。
上の写真のように、パソコン画面が目線の下になると、画面を上からのぞき込もうとします。
すると、首や背中を曲げることで、悪い姿勢を取ってしまいがちになります。
つまり、パソコン画面の高さ次第で姿勢は悪くもなるし、よくもなります。
そのため、まずは、姿勢を正しく保つために画面を目線の位置に合わせる工夫を紹介します。
パソコン画面の高さを調節する工夫
パソコン画面に対する目線の高さ合わせる方法は、次の2つです。
- 椅子の高さを変える
- パソコンの画面の角度や高さを変える
椅子の高さを低くて目線をパソコン画面の高さに近づける
まだ、目線の下にパソコン画面がありますが、少しでも椅子を低くすると、肩の丸みはずいぶん改善されました。
可能な限り、椅子を低くしてみてください。
椅子が低くできない場合は、画面を角度や位置を調整する
椅子を低くしても、なお画面が目線の下に来てしまう場合は、画面の角度が変えられるパソコンであれば、画面の角度を上向きにするといいです。
上の写真は、パソコンの画面を上向きにした状態です。
もし、パソコンの画面の角度が変えられないときは、画面の高さを変える
椅子も低くできないし、画面の角度も変えられない場合は、本を使って、パソコンの画面の高さを高くする方法があります。
これだと、首を曲げずに、画面も見やすくなります。
ノートパソコンの姿勢対策
ノートパソコンの場合は、肩~腰までの姿勢が良くても、どうしても画面が下になるので首を曲げざる負えません。
すぐにできる対策は、こまめに首を後ろに倒すこと
写真のように首を後ろに曲げるだけも、肩こりや首こりの対策になります。
首を後ろに曲げた状態を30~60秒だけでも持続すると、頭を支えるために緊張した首の後ろの筋肉を休めることができます。
ノートパソコンの画面を上に向ける
ノートパソコンの画面を上に向けても、仕事に支障がない場合は、パソコンの画面を上に向けるのがおすすめです。
パソコンの画面を上に向けることで、首を曲げずにパソコンの画面を見ることができます。
本を敷いて、ノートパソコンの位置を高くする
ノートパソコンの位置を高くすることで、首を倒したり、猫背にならなくすることができます。
ノートパソコンの下に本を敷く際は、肘の下にタオルを入れるようにしてください。
タオルを入れないと、今度は腕を持ち上げるために腕の筋肉が緊張するので、また別のトラブルのもとになります。
本を敷いた場合の見た目が気になる場合は、ノートパソコン用のスタンドを使う方法があります。
読書の姿勢対策
読書の場合も、本を読むために首を前に曲げて、頭が前に倒れやすくなります。
そこで、対策は本の位置を目線にする方法があります。
読書の場合は、本は自由に動かせる利点を考えて、座って読んだり、寝転んで読んだり、立って読んだりなど、体勢をいろいろ変えて読むといいです。
肩こりや首の痛みが気になる、読書家の方は、「体勢を変えて本は読む」というのをお試し下さい。
デスクワークの姿勢を正しくする方法は分かったけど、なかなか続かないという悩みを抱えた人もいらっしゃるかもしれません。
デスクワークの正しい姿勢が疲れる場合は、タオルで体を支える
正しい姿勢をとろうとすると、腹筋や股関節の筋肉を使うため、疲れやすくなります。
デスクワークの正しい姿勢が疲れやすい場合は、タオルを使って体を支える方法があります。
おしりを支える方法と、背中を支える方法があるので、自分に合った方法を実践してください。
タオルを使って正しいデスクワーク姿勢をキープする
背中のにタオルを敷いて正しい姿勢をキープする
腰と、背もたれの間にタオルを挟んで、体を背もたれに預けてください。
体があまり、のけぞりすぎないようにタオルの厚みで調整してください。
バスタオルが足りない場合は、2枚使う必要があります。
ポイントは、完全に背もたれに体を預けるくらいまで、タオルを分厚くすることです。
おしりの後にタオルを敷いて、正しい姿勢をキープする
おしりの後面にタオルを敷いて、骨盤を立てておしりのうしろに体を預けて座ってください。
ちなみに、上の写真のように、背もたれと、座面が離れているタイプの椅子の場合は、バスタオルが2枚必要かもしれません。
姿勢矯正クッションを使う
姿勢矯正クッションは、座布団式と背もたれ式があります。
タオルでは、うまくいかない場合や、見た目が嫌な場合は、姿勢矯正クッションを使ってみてください。
姿勢矯正クッションの選び方についてまとめた記事があるので、参考にしてください。
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デスクワークの姿勢は、体の負担が大きい
引用元:サワイ健康推進課より
実は、デスクワークで座っていること自体が体への負担が大きいということがあります。
上の表を見ていただくと、座った姿勢は、立って前かがみになっている姿勢のに近い腰への負担です。
普通に立っている姿勢の、1.4倍の腰の負担があります。
ということは、デスクワークをした日は、自宅でもセルフケアをしないと姿勢を正すだけでは、腰が痛いままということもあるのかもしれません。
では、自宅ではどういったケアをしていけばいいでしょうか。
デスクワークの日は、自宅でセルフケアをする
デスクワーク後に、肩や腰についてのセルフケアを行う場合は、股関節をストレッチしたり、肩甲骨を動かすようなストレッチをするといいです。
僕が、特にデスクワークの人が、やった方がいいと思っているセルフケアはを紹介します。
股関節の前をストレッチする
股関節の前のストレッチです。
上の写真のように伸ばす方の股関節の膝を床について、反対の足をおもいっきり踏み出して伸ばします。
写真では、右側をストレッチしていることになります。
30~60秒くらいを伸ばしてください。
腰痛にならないようにするためには、股関節の柔軟性はとても大切です。
その他のストレッチについては、デスクワークの人にもやってもらいたい股関節のストレッチについての記事を参考にしてください。
おしりをトレーニングする
おしりの筋肉は筋トレをして縮めるようにしてください。
上の写真のように、仰向けに寝た状態で腰を持ち上げると、おしりのトレーニングになります。
デスクワークの姿勢は、常に股関節を曲げている姿勢です。
そのため、股関節を伸ばしておしりをちぢめるよなセルフケアをすることで、デスクワーク姿勢をリセットできます。
肩甲骨を寄せる肩こりストレッチ
上の写真のように、肩甲骨を後方へグーッと引いて内側に寄せるようなストレッチがおすすめです。
その際に、手のひらは上向きにしてストレッチするとなお効果的ですね。
自宅でヨガのオンラインレッスンを受ける
個人的な意見ですが、デスクワークの方の凝り固まった体をほぐす場合は、リラックスしながら体を動かせるヨガがいいと思っています。
ヨガは、いろいろな関節を動かすので、普段は伸びていない筋肉を伸ばしたり、縮めたりすることができます。
ヨガの体験レビューは、下の記事をご覧ください。
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ストレッチポールでセルフケア
自宅に眠ったままのストレッチポールはありませんか?
デスクワークの人は、ストレッチポールを使うのはかなりおすすめだと思います。
なぜなら、デスクワークの際の内巻き肩による猫背や、股関節を曲げた状態の股関節を同時に伸ばすことができるからです。
セルフケアの時間短縮も短縮されて、上の写真のように、ストレッチポールの上に大の字に寝ておくだけでもストレッチできるので楽です。
ストレッチポールを持っているけど、使っていない人はもったいないので、ぜひもう一度、使ってみてください。
ストレッチポールの使い方がよくわからない人は、ストレッチポールの使い方についての記事を参考にしてください。
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まだストレッチポールを持っていなくて、ストレッチポールを購入しようと思っている人は、ストレッチポールの選び方についての下の記事を参考にしてください。
ひがしどうも。鍼灸整体師ライターのひがし(@higashinkyu)です。あなたにおすすめのストレッチポールを紹介します。あなたの体形や体の状態により、適したストレッチポールも変わってきます。私は過去に、5本[…]
おすすめのストレッチポール9選|長さや太さ、選び方のポイントも徹底解説!
まとめ
デスクワークの際に、肩や腰に負担が少ない正しい姿勢で座るようにすると肩こりや腰痛に悩みも少なくなります。
正しい姿勢のポイントは、以下の2つです。
- 骨盤を立てる
- おしりの後ろで座る
デスクワーク中に正しい姿勢で座るためには、パソコン画面の高さは重要です。
椅子を低くしたり、道具を使って画面を高くするなどの工夫で、なるべくパソコン画面を目線の高さに近づけてください。
正しいし姿勢をすると疲れやすい場合は、タオルを背中に当てるか、おしりに当てることで体を支えるようにしてみてください。
とはいえ、座る姿勢は、立っている姿勢よりも、腰にかかる負担が大きいです。
そのため、正しい姿勢をしていても、腰が痛くなることもあります。
その場合は、自宅でセルフケアを行ってみてください。
腰痛のセルフケアの基本は、股関節のストレッチで、肩こりのセルフケアの基本は肩甲骨のストレッチです。
参考文献:<姿勢の教科書|竹井仁・著>