今回は、子育て中の腰痛の解決法についてお伝えします。
子育て中の腰痛、つらいですよね。記事を書いている僕も、3人の娘の子育てを妻とともに行っているので、お気持ちはわかります。
なかなか解決しない腰痛でも、原因別に適切なストレッチやエクササイズを行うことで、ずいぶん楽になる可能性があります。
子育て中の腰痛にお悩みの方は、この記事をご覧いただくと、腰痛を楽にするためのヒントになります。ぜひ最後までご覧ください。
【理論編】専門家から見た子育て中に腰痛になる原因
筋肉や姿勢、骨格の専門家の鍼灸整体師から見た子育て中の腰痛の原因には、次の3つがあります。
- 妊娠中の反り腰の痛みが続いている
- 股関節の柔軟性が足りないこと
- 股関節の筋力が足りないこと
順番に解説していきます。
自分の腰痛がどういった原因によるものなのかを、見極めてくださいね。
妊娠中の反り腰による腰痛が子育て時まで続いている
妊娠中の反り腰が原因の腰痛は、妊娠以前から反り腰だった人に当てはまりやすいです。
というのも、妊娠以前から反り腰傾向の人は、妊娠がきっかけとなり腰の反りがさらに増強されて、腰を痛める可能性があるからです。
実際に反り腰の人は、腹部が大きくない妊娠初期のころから腰痛になることも多いです。
反り腰が原因であれば、改善するためのストレッチやエクササイズを行うことで、腰がずいぶんと楽になりますよ。
反り腰は骨盤が前傾することにより起こる
反り腰になってしまうのは、股関節が固まってしまい、骨盤が前に傾むくからです。さらに、反り腰になることで、腰の筋肉が固くなり、血行の悪化とともに腰痛になります。
反り腰が原因の腰痛は、反り腰を改善するためのストレッチを実践すると腰痛が楽になります。
では、具体的にどういったストレッチを実践すればいいのでしょうか?
子育て腰痛を楽にするための反り腰改善ストレッチ
反り腰の腰痛を緩和するためのストレッチやエクササイズのポイントは以下の3点です
- 腰が反ることで緊張した腰の筋肉を緩める
- 股関節前の筋肉をストレッチする
- おしりの筋肉をトレーニングする
以上の3点を意識した、セルフケアを実践することで、反り腰の腰痛の改善に期待大!
実際のストレッチは、【実践編】の項目でお伝えします。
反り腰のチェック方法や詳しい改善方法は下記の記事も参考になります。
関連記事>>【骨盤前傾】反り腰のチェック方法と改善ストレッチを分かりやすく解説!
子育て中に股関節の柔軟性が足りないと腰痛になる
子育て中は子ども目線で、行動する場面が増えるため、腰を曲げた中腰姿勢による腰痛が多いです。
たとえば、子どもが床に散らかしたおもちゃを片づけたり、子どもに靴を履かせたりと、中腰で行う動作が増えますよね。
腰の負担を少なくして中腰姿勢を維持するには、股関節の柔軟性が重要。特に、ハムストリングスといわれる太もも裏の筋肉の柔軟性は、とても大切です。
次に股関節の柔軟性と、腰の動きの関係をお伝えします。
中腰姿勢をするときは骨盤と腰が連動する
前屈や中腰をする場合、腰と骨盤が連動して動く必要があります。写真からも、腰を曲げるときに骨盤が後方へ移動しているのが分かりますよね。
つまり、腰を曲げるのと同時に、骨盤も動いていることになるのです。
もし、骨盤が前に倒れずに腰と上手く連動しなかったら、腰だけで前屈をすることになってしまい腰を痛めてしまいます。
なぜなら、腰の骨は前には50度までしか傾かないからです。
では骨盤が前に倒れないのは、どこに問題があるのでしょうか?
その答えは、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の柔軟性不足に他なりません。
ハムストリングスとはなんだろう?
ハムストリングスというのは、骨盤の後ろの坐骨から太ももの裏側に伸びる筋肉群です。ハムストリングスに柔軟性がないと、骨盤を後方へ引っ張る力が働きます。
後方へと引っ張られた骨盤は、前に倒れにくくなりますよね。
その結果、床にあるものを拾おうとして腰を深く曲げた際に、腰の骨だけ曲がってしまい腰痛になります。
つまり、腰痛を楽にするにはハムストリングスの柔軟性は、とても重要だということです。ハムストリングスの効果的なストレッチは、後述の【実践編】でお伝えします。
子育て中に股関節の筋肉が不足すると腰痛になる
子ども抱き上げる際に、子どもを腰の力で持ち上げようとしていませんか?子どもを腰の力で抱き上げようとした場合、腰を痛めてしまう可能性があります。
まだ、小さくて軽いうちは、腰で持ち上げても問題ありません。
しかし、子どもの体重が10kg、15kgと増えるに従い、腰の力で子どもを抱きかかえようと、腰への負担も大きくなります。結果的に、腰痛になってしまうのです。
そこで、腰ではなく、股関節を使って子どもを抱き上げるようにしてみましょう。
腰を痛めやすいダメな抱っこの仕方
股関節を曲げずに、腰を曲げて腰で子ども抱え上げる場合、腰に過度の負担がかかって腰を痛めてしまいます。
腰を痛めにくい良い子どもの抱き上げ方①
腰を曲げずに股関節の力で子ども持ち上げるようにすると、腰に負担がなく腰痛にもなりにくいです。腰は曲げると負担が増えますが、逆に曲げないと負担を減らすことになります。
ただし、腹筋が弱いとしゃがんだ時点で腰が曲がってしまう可能性があります。そこで、しゃがんだ際に腰が曲がってしまう方は、次の方法が向いています。
腰を痛めにくい良い子どもの抱き上げ方②
上の写真のように片足を前に出して、子ども抱きかかえる方法も腰を痛めにくいです。先ほどと同じように、大切な事は股関節を曲げて腰を曲げないことになります。
腰痛を防ぐには、いかにして腰を曲げないようにするのか、ということに意識を向けて体を動かすことが大切です。
とはいえ、股関節の筋力が弱いと、子どもの成長とともに体重が重くなると、態勢が崩れやすくなります。
そこで股関節の筋力が弱い場合は、筋トレで股関節の筋力を強化するのもおすすめです。
そうすることで、子ども抱きかかえても体を安定させることができます。
股関節の筋肉を強化して腰の負担を減らす
股関節の筋肉が弱いと、股関節の力で、安定して体を持ち上げることができません。結果的に、子ども抱き上げる際に、ついつい腰を曲げてしまうことになります。
そのため子育てを頑張るパパやママは、普段から股関節の筋肉を強化しておくのをおすすめします。
股関節を強化する方法として、おすすめなのはスクワットです。
ここまでで、子育て腰痛の原因と、それを改善するための方針をお伝えしました。
以降では、具体的なストレッチやエクササイズ方法をお伝えします。
【実践編】子育て腰痛を改善するためのストレッチ3パターン
ここでは、子育て腰痛を改善するためのストレッチとエクササイズを3つの原因別にお伝えします。
もし1度やってみて効果が実感できるのであれば、続けてみてください。
- 反り腰による子育て腰痛を改善するためのストレッチ
- 股関節の柔軟性不足を改善するためのストレッチ
- 股関節の筋力不足を改善するための筋トレ
①反り腰による子育て腰痛を改善するためのストレッチと筋トレ
正しい姿勢を維持するのに、とても重要な役割を果たす筋肉を「抗重力筋」といいます。つまり、抗重力を柔軟にしたり強化したりすると正しい姿勢をいじできるようになるのです。
そして、反り腰を改善するためには、まずは股関節の全面の抗重力筋をストレッチします。
次に、おしりにある殿筋を強化します。
最後に、反り腰によって緊張した腰の筋肉(脊柱起立筋)をストレッチでほぐすことで、腰痛が楽になります。
以降で以上の3つのポイントを含んだストレッチを、順に解説していきます。
股関節前(腸腰筋)のストレッチ
写真では、右側の腸腰筋をストレッチしています。体を起こすと腰が痛い場合は、胸を膝に付けるように前傾姿勢でストレッチしてください。
股関節前(大腿直筋)のストレッチ
足を後方に引くことで、太ももの前面をストレッチできます。股関節を引っ張ると、腰が反って痛い場合は、膝を曲げるようにして股関節のけん引を緩めてください。
他の大腿四頭筋のストレッチは、下記の記事で紹介しております。
関連記事>>膝が曲がらない場合に、おすすめなストレッチは?|大腿四頭筋のストレッチやマッサージ
腰の緊張を緩めるストレッチ
膝を抱きかかえながら、丸まってください。丸まる際に、息を吐きながら、腹筋に力を入れて腰を丸めるようにしてください。
ただし、腰のヘルニアがある方は、行わないほうがいいストレッチなので注意してください。ヘルニアが悪化する可能性があります。
おしりの筋トレ(ヒップリフト)
ヒップリフトでおしりを鍛える場合、できる限りおしりを天井に向けて持ち上げます。30秒くらいキープするか、リズミカルに動かすように筋トレをしてください。
関連記事>>おしりの筋トレおすすめ3種6選|おしりを鍛える効果やメリットも解説
②ハムストリングスの柔軟不足による腰痛を改善するストレッチ
ハムストリングスという太ももの裏側の筋肉を柔軟にすると、床の物を拾ったり、背が低い子どもと手をつないだりする際の腰への負担を軽減できます。
ここでは、ハムストリングスのストレッチで腰痛を楽にする方法をお伝えします。
太もも裏の筋肉(ハムストレングス)のストレッチ
ハムストリングスをストレッチする際は、まずは足を抱え込んでください。次に膝を伸ばすのと同時に、足の裏を天井に突き上げるようにしてください。
そうすることで、股関節と膝を同時に伸ばして、効果的にハムストリングスをストレッチできます。太ももの裏側にストレッチ感があれば、成功です。
関連記事>>両手が床につく!寝ながらOK!ハムストリングのストレッチで腰痛と姿勢改善!
前屈で両手の指先が床につくのが理想的
両手の指先が床につかない人は、ハムストリングスのストレッチをすることをおすすめします。まずは写真のように、両手の指先が床につくようになるといいですね。
対して、両手の指先が床につくけど腰が痛い人は、ハムストリングスのストレッチは後回しにしください。ハムストリングスが腰痛の原因ではない可能性が高いです。
その場合は、反り腰の改善や、次に述べる股関節の筋力強化を優先的に実践するといいですよ。
③股関節の筋力不足による子育て腰痛を改善するための筋トレ
股関節を鍛えて腰を曲げずに、股関節で子どもを抱きかかえられるようにすると腰痛になりにくいです。
さらに、おしりの筋肉が強いと、子ども抱っこしている最中でも、腰に負担が少ない良い姿勢を維持できるというメリットもあります。
筋肉はすぐにはつかないので、子どもが0歳の小さいうちに股関節を強化しておくのもいいですね。そうすると、子どもが大きくなった時に、楽に子どもが抱き上げられるようになります。
すでに子どもが大きい方でも、筋肉痛になるくらいの筋トレを1週間も頑張れば、かなり股関節が強化されますよ。
スクワットで股関節を強化する
スクワットをする際は、膝がつま先の前に出ないようにするのがポイントです。
腰が痛い場合は、腰が反り過ぎているか、反り腰による腰痛の可能性があります。反り腰の場合は、スクワットと同時に前項の反り腰のストレッチもやってみてください。
関連記事>>【腰痛の悩み解消】スクワットで腰痛になってしまうのはなぜか?原因と対処法を解説
バックランジスクワットで股関節を強化する
バックランジスクワットは、足を後方に引く動作を右、左、右、左と交互に繰り返します。まずは片方の足を後方へ引いて元の位置へもどし、次は反対の足を後方へ引いて元の位置へもどすといった具合に繰り返すといいです。
バックランジスクワットは、バランスをとる練習にもなります。
なぜなら、足が片方になるときに、中殿筋や小殿筋、内転筋と言った横方向への股関節の安定に寄与する筋肉を強化できるからです。
実際にバックランジスクワットをやり慣れていない方は、股関節筋が弱いために、足を後ろに引いた際にふらついてしまうのです。
しかし、ランジスクワットを続けることでしっかりと、足を後方へ引いていも体が安定するようになります。
すると、子どもを抱きかかえる際にもふらつかずに、楽に持ち上げることができますよ。
子育て腰痛の改善ストレッチまとめ
子育て腰痛には原因別に、以下のものがあります。
- 反り腰による腰痛
- 股関節の柔軟性不足による腰痛
- 股関節の筋力不足による腰痛
それぞれの原因に対して、対策を講じることで子育て中の腰痛の悩みは解決できます。
子育ての忙しい中、トレーニングを実践するのは大変です。
しかし、一日に5分でも10分だけでもいいので、時間を作って実践すると腰痛が楽になりますよ。
最後までご覧いただいてありがとうございました。