トリガーポイント鍼とは?効果や痛みについて解説

筋肉にトリガーポイントができると、肩こりや腰痛、頭痛、関節痛などあらゆる痛みの原因になります。

トリガーポイントはレントゲンやMRIには映らないため、病院の検査で原因がはっきりしない場合はトリガーポイントが原因かもしれません。

そこでトリガーポイントを鍼で刺激して緩めると、原因不明の痛みが楽になる可能性があります。

さらに自律神経の乱れにも効果を発揮することもあります。

この記事ではトリガーポイント鍼の効果について解説。

さらにトリガーポイントの探し方や、鍼刺激に対する痛みや気持ち良さなどの感覚についても説明するので、ぜひ最後までご覧ください。

このページを書いた人

東 大輔(ひがし だいすけ)

熊本県熊本市出身・在住の柔道整復師、鍼灸師。

ひがし鍼灸整体院の代表を務める。

臨床歴約10年で鍼灸と整体施術により、健康に悩む人の回復をサポート。

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目次

トリガーポイントとは

ひがし

まずは、そもそもトリガーポイントとは?の疑問にお答えしますね。

トリガーポイントとは、痛みの原因となる筋肉のコリを指します。

押すと痛みが出るだけではなく、触れなくても自発的に痛みを発することもある点が特徴です。

ひがし

神経痛のような痛みもトリガーポイントが原因の場合もあります。

2種類のトリガーポイント

トリガーポイントは大きく分けて次の2つがあります。

  • 活動性トリガーポイント
  • 潜在性トリガーポイント

触れなくても痛みが出る状態は活動性トリガーポイントと呼ばれることがあり、トリガーポイントによる症状が進行した状態です。

一方で普段は痛み感じなかったり、押したときのみに痛みを感じたり状態は潜在性トリガーポイントと呼ばれます。

活動性トリガーポイントまで進行すると神経痛のような痛みや夜間の痛みを感じたりして、日常生活に支障をきたすこともあります。

ひがし

トリガーポイントを狙って鍼を打つ施術が「トリガーポイント鍼」です。
次に効果について解説します。

トリガーポイント鍼で期待できる効果

トリガーポイント鍼を受けると、次のような効果が期待できます。

  • 痛みの軽減
  • 自律神経の調整
  • 疲労回復

痛みの軽減

筋肉のコリや緊張が関係する痛みであれば、トリガーポイントを鍼で緩めると痛みを軽減できます。

たとえば肩こりや腰痛、背中の痛みなどあらゆる痛みがトリガーポイントによって起こっている可能性があります。

またトリガーポイントは、膝や肩、肘、手首、足首などの関節の痛みの原因になることもあるのです。

ひがし

関節を動かすと筋肉が収縮するので、そのときにトリガーポイントによる痛みが出ます。

トリガーポイントが原因であれば、それを処置すると、関節を動かした際の痛みが大幅に軽減されることもあります。

自律神経の調整

トリガーポイントを鍼で刺激すると自律神経が整うと言われています。

トリガーポイントを鍼で刺激すると、ズーンとしたツボに入った感覚が現れます。

この感覚を、鍼灸の専門用語で「得気」と呼びます。

得気がある場合、自律神経のなかの副交感神経が刺激されている状態です。

つまり副交感神経が刺激され、リラックス状態になり緊張状態から体が解放されて自律神経が整うのです。

トリガーポイントを刺激すると、実際に唾液の分泌や内臓の動きの活性化などの副交感神経が優位になった場合に起こる反応が見られます。

疲労回復

トリガーポイントを鍼で刺激して筋肉のコリや緊張を緩めると、血流がよくなるため、疲労回復が期待できます。

デスクワークで同じ姿勢を維持したり、ストレスで体の緊張したりすると筋肉が緊張して血行が悪くなり、疲労物質が体に蓄積されやすくなります。

トリガーポイント鍼を受け、血行を促進して日ごろの疲労物質を排除してみてはいかがでしょうか。

ひがし

トリガーポイントの探し方にはコツがあります。
次に鍼灸師がどのようにポイントを探しているのかを解説しますね。

トリガーポイントの探し方

トリガーポイント鍼を行う前に、視診や触診、問診でトリガーポイントを探します。

ひがし

トリガーポイントの探し方は、施術家によってそれぞれです。
ここでは、私が実践する探し方を解説します。

視診

視診の際には、患者さんの姿勢をチェックしてトリガーポイントの位置を想定します。

トリガーポイントのある筋肉は縮めると痛みを感じる特徴があります。

そのため患者さんは無意識のうちに、トリガーポイントのある筋肉を伸ばすような姿勢をとろうとすることがあるのです。

たとえば、お尻の筋肉を伸ばしてトリガーポイントの痛みを軽減するために、足を組む場合もあります。

ひがし

お尻の筋肉の緊張が原因で、腰痛に悩まされている人によく見られます。

触診

トリガーポイントを指で探ると、「コリ、コリ」や「ジュクジュク」とした感覚があります。

また筋肉と骨の付着部や関節の周辺、鍼灸の経穴(ツボ)の辺りなどトリガーポイントができやすい位置が存在します。

それらの位置を中心に触診をして、感覚でトリガーポイントを見つけていきます。

ひがし

下記のようにトリガーポイントには、痛みの出るパターンのようなものも存在しますよ。

トリガーポイントの関連痛の現れ方の一例
トリガーポイントの関連痛の現れ方の一例

上記の画像の場合、×の部分がトリガーポイントで赤い部分が痛みの出る部分です。

関連痛と呼ばれる現象で、トリガーポイントがある位置以外の部分が痛くなることもあります。

問診

トリガーポイントを見つけにくいときは、硬い部分を押して患者さんに痛みがあるかどうかを訪ねます。

尋ねる場合は、症状がある側と症状がない側の両方を押して比べながら確認します。

より痛みが強い箇所にトリガーポイントがあると想定して施術へと進めます。

トリガーポイントに鍼が当たると痛い?鍼刺激について

トリガーポイントに鍼が当たった際に出るズーンと感じる刺激への反応は人それぞれです。

痛いという人もいれば、気持ちいいという人もいます。

また筋肉の表面の緊張が強いと、トリガーポイントに鍼が到達する以前に別の痛みを感じる場合もあります。

とくに冬場などは、寒さで筋肉が緊張しているため、痛みを感じやすいので慎重になる必要があるのです。

ひがし

以上のような理由から、当院の場合、次のような方針でトリガーポイント鍼を行っています。
他の鍼灸院でも同じような対応をしているかもしれませんので、参考までにご覧になってください。

ひがし鍼灸整体院のトリガーポイント鍼について

ひがし鍼灸整骨院流のトリガーポイント鍼は、次のようにして患者様に合わせた刺激で施術を行っています。

  • 鍼の刺激を徐々に上げる
  • 赤外線で温める
  • 鍼が苦手な患者さんには指を使ったほぐしを提案
ひがし

それぞれについて説明しますね。

鍼の刺激を徐々に上げる

ひがし鍼灸整体院では、はじめての患者さんについては、鍼の刺激量を徐々に上げていくように提案しています。

ひと口に鍼といっても、太さはさまざまなので、刺激量の調整が可能です。

トリガーポイント施術に使う鍼の種類
ひがし

向かって右側が細く、左側にいくにつれて太くなります。
まずは、右側の赤や灰色の細めの鍼での施術をご提案します。

赤外線で温める

冬場は赤外線を使用して、鍼を打つ箇所を温めます。

赤外線を当てながらトリガーポイント鍼治療
赤外線を当てながら鍼施術を行っている様子
ひがし

患部を温めると、筋肉の緊張が緩んで鍼を打った際の痛みが軽減されますよ。

鍼が苦手な患者さんには指を使ったほぐしを提案

トリガーポイントは鍼でなくても、指を使ったほぐしでも緩められます。

指でほぐす場合は、方向を考えながらトリガーポイントを逃さないように刺激していきます。

ひがし

僕の感覚では指よりも鍼の方が効果があるので、トリガーポイント鍼がおすすめです。
しかしどうしても鍼が苦手な方は、指を使った施術で徐々に緩めていくようにしています。

トリガーポイント鍼を受けてみよう

今回はトリガーポイント鍼について解説しました。

トリガーポイントは筋肉にできるコリです。

そのため、レントゲンやMRIなどの病院の検査では原因がはっきりしない場合もあります。

原因不明の身体の痛みで悩んでいる場合は、トリガーポイントを緩めてみてはいかがでしょうか。

トリガーポイントを緩めるためには、筋肉の深部まで刺激できる鍼施術がおすすめです。

ひがし鍼灸整体院でもトリガーポイント鍼を受けられますので、お困りの際はどうぞご相談ください。

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この記事を書いた人

熊本県熊本市出身・在住の柔道整復師、鍼灸師。
ひがし鍼灸整体院の代表を務める。
臨床歴約10年で鍼灸と整体施術により、健康に悩む人の回復をサポート。
医師のコラム記事を代筆したり、健康関連のWebメディアに寄稿したりする活動も行っている。
プライベートでは3人娘の父
詳しくは下記をご覧ください。
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