鍼治療を受けると、その翌日にだるくなったり、痛くなったりすることがあります。
はじめて鍼を受ける人のなかには、鍼治療を受けたあとについて次のように気になる人もいるのではないでしょうか。
「鍼治療後に体にどのような反応が起こる?」
「なぜ、だるくなるの?」
このページでは、鍼治療の翌日にだるくなる理由について解説します。
さらに鍼治療を受けた後の痛みや継続する期間、貧血、眠くなるなどの症状についても説明するので、ぜひ参考にしてください。
このページを書いた人
東 大輔(ひがし だいすけ)
熊本県熊本市出身・在住の柔道整復師、鍼灸師。
ひがし鍼灸整体院の代表を務める。
臨床歴約10年で鍼灸と整体施術により、健康に悩む人の回復をサポート。
鍼治療を受けた翌日にだるくなる理由
鍼治療を受けた翌日に、だるさを感じるのは体の回復機能が活性化されているためです。
血行が改善されたことで、体の悪い箇所が修復されています。
鍼灸用語では「瞑眩(めんげん)」と呼ばる反応で、体が好転している状態なので心配はありません。
しかし人によっては不快に感じるかもしれません。
その場合は、刺激量を調整してもらい翌日のだるさを軽減しましょう。
鍼治療の翌日におこるだるさを軽減する方法
鍼の刺激量が増えるほど、だるくなるので、鍼の本数や太さを調節してもらいましょう。
とくに鍼をはじめて受ける場合は、本数を少なく細めの鍼で受けることをおすすめします。
鍼の太さはさまざまなので刺激量を調整できます。
鍼が初めてだから、はじめは少ない刺激で施術を受けたい旨を鍼灸師に伝えるとよいでしょう。
鍼治療を受けた後の痛み
鍼治療を受けると、だるさの他に痛みを感じることがあります。
痛みの感じ方は、鍼を刺したところが痛くなる場合と鍼を刺したところ以外が痛くなる2パターンが考えられます。
鍼を刺したところが痛くなる
鍼を刺したところが痛くなる理由は、血行不良が続いていた箇所に再び血が通うようになったからです。
いままでは、血行不良の状態であったため筋肉の痛みを自覚できていませんでした。
しかし血が通うようになったことで、その部分が修復され、その過程で痛みを感じます。
たとえば打撲をすると赤く腫れて炎症が起こり、その部分が修復されますが、それと同時に痛みを感じます。
それと似たように鍼を刺した箇所でも回復反応が起きて、痛みを感じるのです。
具体的には、プロスタグランジンやヒスタミンなどの物質が出て、痛みを感じます。
鍼を刺したところ以外が痛くなる
鍼を刺したところ以外に痛みを感じることもあります。
その理由は、鍼治療で強い痛みが軽減したことで、もともと痛みがあった箇所が気になるようになったからです。
痛みの強い箇所があると、そこにのみ意識が向いて、他の部分の痛みが気にならないことがあります。
そのような場合に、鍼治療後に鍼を刺したところ以外が痛くなります。
次の治療の際に痛みの場所が変化したことを鍼灸師に伝えて、状態に合わせた施術をしてもらいましょう。
鍼治療のだるさや痛みが続く期間
翌日におこった鍼治療のだるさや痛みは多くの場合、2~3日以内になくなります。
それほど、長引くものでもないので心配する必要はありません。
もし、だるさが1週間も続く場合は、他の疾患などなんらかの原因も考えられるので、医療機関の受診をおすすめします。
鍼治療を受けた当日に起こる反応
鍼治療を受けた当日は、軽い貧血がおこったり、眠くなったりすることがあります。
軽い貧血
鍼治療を受けた当日、寝不足だったり、体調が悪かったりすると鍼の施術を受けた直後に貧血のような症状が現れることがあります。
これは「暈鍼(うんしん)」と呼ばれる状態です。
貧血の症状はベッドでしばらく横になっていれば治まります。
無理に起き上がろうとすると転倒して危険ですので、気分が悪いことを鍼灸師に告げてしばらベッドで横になっておきましょう。
眠くなる
鍼治療を受けると体がリラックス状態になるので、眠くなることがあります。
施術中に寝てしまう患者さんも多いです。
また施術当日の就寝時は寝付きもよくなるので、早めに床についてしっかりと体を休めることをおすすめします。