ぎっくり首は、首を動かした拍子に突然首が痛くなった状態です。
就寝中や起き上がった瞬間にぎっくり首になると、寝違えになります。
ぎっくり首や寝違えは安静にすると、通常であれば3~4日くらい痛みが治まります。
しかし中には、次のような悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか?
「3~4日経ったが痛みが続く」
「ぎっくり首を繰り返してしまう」
「起き上がれないほど、首の痛みが強い」
ぎっくり首は自然によくなることが多いのですが、腕のしびれや痛みがある場合は、病院で検査を受けることをおすすめします。
この記事では、ぎっくり首について病院に行くべき症状について解説します。
さらにぎっくり首の原因や起き上がれないほど強い痛みの場合の対処法を紹介。
ぎっくり首の痛みを、まずは少しでも軽くしたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
このページを書いた人
東 大輔(ひがし だいすけ)
熊本県熊本市出身・在住の柔道整復師、鍼灸師。
ひがし鍼灸整体院の代表を務める。
臨床歴約10年で鍼灸と整体施術により、健康に悩む人の回復をサポート。
ぎっくり首とは
ぎっくり首とは、突然グキッとした刺激を首に感じ、強い痛みを感じる状態です。
腰が急に痛くなるぎっくり腰と同様に、首もぎっくり首になることがあります。
少し首を傾けたり、振り向いたりしたときになることも。
また就寝中や起床時にぎっくり首が起きるた場合は、寝違えとも呼ばれます。
病院に行くべきぎっくり首の症状
転倒や交通事故でぎっくり首になった場合は、すぐに病院を受診しましょう。
首の骨や神経を痛めていることもあるので、レントゲンやMRIで検査を受けて損傷の有無を確認することが大切です。
他にも、次のような腕の症状が現れた場合は、すぐに病院を受診して検査を受けましょう。
- 腕にしびれがある
- 腕や手の感覚がマヒしている
- 腕を動かせない
以上の場合、頸椎ヘルニアなどの首の病気になっている場合があります。
まずは病院を受診して診断を受けるようにしてください。
ぎっくり首の原因
ぎっくり首の原因は次のとおりです。
- 不良姿勢
- 首の冷え
- 枕が合っていない
それぞれの項目について解説します。
不良姿勢
猫背やストレートネックなどの不良姿勢は、首に負担がかかるため疲労が溜まりやすくなります。
疲労が溜まった結果、ある日突然痛みが強くなった状態がぎっくり首です。
ぎっくり首を繰り返す場合は、不良姿勢の改善に取り組んでみましょう。
ストレートネックや猫背の改善方法については、次の記事を参考にしてください。
首の冷え
首が冷えると、筋肉の血行が悪くなって突然ぎっくり首になることがあります。
ぎっくり首は、筋肉が硬くなって起こることもあるのです。
冬場はウォームネックを装着して保温したり、夏場はエアコンの風が首に直接当たらないようにしたりしてぎっくり首を予防しましょう。
枕が合っていない
枕が合ってないと、首に負担がかかってぎっくり首になる可能性があります。
ぎっくり首を予防したい場合は、大きめの枕で肩から首、後頭部にかけて包み込むように頭を支えることが大切です。
胸鎖乳突筋の緊張
胸鎖乳突筋と呼ばれる筋肉が過度に緊張してぎっくり首になることがあります。
胸鎖乳突筋は、首をさまざまな方向に動かす作用がある上に、頭を支える重要な役割も担っています。
そのため胸鎖乳突筋が衝撃やストレスなどの理由で急に緊張すると、ぎっくり首になる可能性があるのです。
ぎっくり首でやってはいけないこと
ぎっくり首の場合、首で炎症を起こしている可能性があるため、次のような行動を控えるようにしましょう。
- 指で痛いところを強く押す
- 温める
- 首をストレッチする
それぞれについて解説します。
指で痛いところを強く押す
痛みがあるところは炎症を起こしている可能性があります。
そのため、痛い部分をグリグリと押してしまうと痛みが悪化する可能性があるので注意しましょう。
温める
温めると血行が促進されて炎症がひどくなる場合があります。
また首に熱感がある場合は、冷やすようにしてください。
冷やす場合は、ビニール袋に氷を入れタオルで包む10~20分ほどあてましょう。
首に感覚がなくなるくらいまで冷やすと炎症を抑える効果が期待できます。
熱感がない場合は、冷やす必要はありません。
首をストレッチする
首のストレッチも炎症が悪化する要因になります。
痛みが強い場合は、なるべく動かさずに安静にしましょう。
ぎっくり首で起き上がれない場合に効果的な対処法
ぎっくり首は強烈な痛みを伴うため、起き上がれずにどうしようもなくなることも多いです。
ぎっくり首で起き上がれない場合には、次に上げるいずれかの対処法を試してみてください。
- 寝違えのツボ「落枕(らくちん)」を押す
- 寝違えのツボ「完骨(かんこつ)」を押す
- 脇下をほぐす
- 首の皮膚を持ち上げる
今回は説明を分かりやすくするために座った状態の写真で対処法を紹介しています。
首が痛くて起き上がれない場合は、寝た状態で実践してみてください。
寝違えのツボ「落枕(らくちん)」を押す
首に痛みを感じる側の落枕(らくちん)と呼ばれるツボを押しながら、痛みが強くならない程度に首を傾けてください。(写真右側)
落枕は人差し指と中指の第一関節のすぐ下にあり、両者の間に位置します。(写真左側)
落枕を押すときは、ズーンと刺激を感じるくらいに強めに押す点がポイントです。
落枕を押しながら首を動かしているうちに、次第に首が動かせるようになる可能性があります。
寝違えのツボ「完骨(かんこつ)」を押す
痛い側の首にある完骨(かんこつ)を親指で押しながら、首を傾けると首の痛みが楽になることがあります。
完骨は乳様突起と呼ばれる骨の後方にあります。
完骨は乳様突起と呼ばれる筋肉にあるツボです。
そのため乳様突起が緊張してぎっくり首になっている場合は、完骨を押すと首の痛みが楽になる可能性があります。
首の皮膚を持ち上げる
首の皮膚を持ち上げると筋膜がほぐれて、ぎっくり首が楽になることがあります。
写真右側のように手で皮膚をつまんで持ち上げてみてください。
皮膚を持ち上げて引っ張ったら離して、別の場所で同じく皮膚を引っ張り上げてください。
痛みを感じる箇所で、皮膚の持ち上げを繰り返すと首の痛みを軽減できる可能性があります。
脇下をほぐす
痛みのある側の脇下をほぐすと、ぎっくり首が楽になる可能性があります。
寝た状態で脇下をほぐす場合は、首に痛みがある側を上にして横になり脇の下に手を入れてほぐしてみてください。
脇下を少し痛みを感じる程度につまむと硬くなった箇所をほぐせます。
ぎっくり首や寝違えで首を動かせない場合は鍼施術もおすすめ
ぎっくり首で首を動かせない場合は、鍼施術で痛みを軽減させるのもおすすめです。
鍼には痛みを軽減させる効果が期待できるので、ぎっくり首による激しい痛みを早く軽減したい場合にはおすすめの施術です。
熊本ひがし鍼灸整体院では、ぎっくり首には鍼施術で対応しますので、首の痛みでお困りの場合はぜひご相談ください。