首こり病(頸性神経筋症候群)とは、首のこりが原因で心身にさまざまな不調をきたす症状です。
心の不調が現れた場合は、頸性うつとも呼ばれます。
次のような方は、首こり病かもしれません。
「最近、首がこりが気になる上に、体調がすぐれない」
「首がこって、元気が出ない…」
この記事では、首こり病や頸性うつについて詳しく解説します。
さらに首こり病の原因や症状、解消法についても説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
このページを書いた人
東 大輔(ひがし だいすけ)
熊本県熊本市出身・在住の柔道整復師、鍼灸師。
ひがし鍼灸整体院の代表を務める。
臨床歴約10年で鍼灸と整体施術により、健康に悩む人の回復をサポート。
首こり病(頸性神経筋症候群)とは
首こり病とは、首のこりが原因で心身にさまざまな不調が起こる症状です。
別名「頸性神経筋症候群」とも呼ばれ、東京脳神経センター理事長の松井 孝嘉(まつい たかよし)医師が発見し、命名しました。
首は自律神経にとっても重要な場所なので、首がこると自律神経が乱れてさまざまな症状が引き起こされるのです。
頸性うつとは
首こり病によって自律神経が乱れた状態を放っておくと、痙性うつになることがあります。
頸性うつは、首のこりが原因でうつになった状態です。
頸性うつになると、眠れなくなったり、ネガティブなことばかりを考えてしまったりします。
首のこり以外にもうつになる原因はあるため、それと区別するために頸性うつと呼ばれるようになりました。
首こり病の原因
首こり病は、首の筋肉が過度に緊張して自律神経の働きに異常が起きることが原因で発症します。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2タイプがあり、両者がバランスをとって内臓の働きや血圧、体温調節、発汗、精神の安定などの体の機能が保たれています。
首こり病の場合、副交感神経の働きが弱り、心身の調整機能に狂いが生じます。
その結果、心身にさまざまな不調が起こり首こり病になるのです。
首こり病による症状
首こり病による症状は次のとおりです。
- よく眠れない
- 慢性的な眼精疲労(目の疲れ)
- 疲れがとれない
- 吐き気やめまいがする
- やる気が出ない
- 体がだるい
- 強い肩こりや腕のだるさを感じる
- 腰に張りを感じる
- めまいがする
- 耳鳴りがする
- 頭痛がする
- 頭がのぼせる
- 顔がむくむ
- 血圧が安定しない
- 微熱がでる
- 汗をかきやすい
- 動悸や息切れがする
- 目が見えにくい
- 目がかすむ
- 目の奥が痛い
- 集中できない
- 噛みしめがある など
首のこり感とともに、以上の症状がある場合は首こり病の可能性があるので、チェックしてみてください。
自分でできる首こり病の予防法
首こり病を予防するためには、次の点に気を付けるとよいです。
- 正しい姿勢で座る
- 同じ姿勢を継続しない
- 首のストレッチをする
- 首を温める
それぞれについて解説します。
正しい姿勢で座る
デスクワークなどで長時間座る場合は、猫背を避け、正しい姿勢で座ることが大切です。
猫背の場合、うつむいた状態になりやすく、首が曲がり首への負担が大きくなるのです。
首に負担がかかることで筋肉がこりやすくなり、首こり病になる恐れがあります。
正しい姿勢で座るように心がけ、首を曲げないようにすると、首こり病を予防できるでしょう。
正しい座り方
デスクワークで正しく座る場合、次の点に注意してみてください。
- 骨盤を立てる
- 足裏が床につくように椅子の高さを調節する
- パソコン画面を目線の高さにする
以上に気を付けると、自然と首を曲げない状態で座れます。
同じ姿勢を継続しない
正しい姿勢で座っても同じ姿勢を継続させると、首の筋肉がこりやすくなります。
筋肉は動かさないと緊張して血行が悪くなり、硬くなってしまうので注意が必要です。
デスクワークの合間に、適度に首を後ろに曲げたり、回したりして血行を促進しましょう。
首のストレッチをする
首を後方に曲げるようなストレッチをすると首こり病を予防できます。
またストレートネックやスマホ首と呼ばれる状態になると、首に負担がかかって首こり病になるので、ストレッチで解消してみましょう。
しかし首こり病になりかけている場合は、首をうしろに曲げようとすると、痛みがでます。
そのような場合は、タオルを利用すると痛みを軽減してストレッチできますよ。
タオルを使った首のストレッチ
タオルを使って首のストレッチをする場合は、次の手順で実践してみてください。
- タオルを首にかける
- タオルを前上方に引っ張る
- 同時に首を後ろの曲げる
タオルを使った首のストレッチについては、次の記事でさらに詳しく解説しているので、参考にしてください。
首を温める
首を温めると、首の血行を促進して筋肉のこりをほぐせます。
ネックウォーマーを装着したり、湯船に首までつかったりして首を温めてみましょう。
蒸しタオルを使って、首や後頭部、目を同時に温めると、リラックスできて自律神経を整える効果も期待できますよ。
次の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
首こり病への対処法
首こり病になった場合は、まずは病院を受診しましょう。
そして病院で治療を受けるサポートとして、鍼灸院を利用するのもおすすめです。
病院を受診する
首こり病が疑われる場合は、まずは病院を受診して首のこり以外にも原因がないかチェックしてもらいましょう。
首の痛みや腕のしびれが強い場合は、整形外科を受診するとよいでしょう。
自律神経の乱れによる症状やうつなどの精神的な症状が現れている場合は、心療内科を受診して診てください。
鍼灸院に行く
病院を受診しながら、治療のサポートとして鍼灸院を利用するのもおすすめです。
鍼であれば首の深部にある筋肉にまで直接アプローチできます。
血行を促進して首のこりをほぐす効果が期待できるので、おすすめです。
首こり病でお悩みの場合はご相談ください
首こり病になると、自律神経が乱れるので、さまざまな症状が現れます。
首の痛みやこり感を伴った状態で、頭痛や耳鳴り、めまい、吐き気など多くの症状に悩まされている場合は首こり病かもしれません。
首こり病には、鍼灸治療もおすすめです。
首の深部にできたこりにアプローチして、血行を促進できるので、筋肉のこりをしっかりほぐせます。
熊本のひがし鍼灸整骨院でも首の痛みやこりに対応した施術を行っているので、どうぞご相談ください。