「ツボで自律神経が整うって本当?」
「どこを押せばいい?」
以上の疑問を抱えている場合は、この記事をぜひご覧ください。
ツボ押しは、人間が持つ生理現象「反射」を利用したセルフケア法です。
人間の生理現象を利用するため、ツボ押しをすると自律神経が整うのです。
この記事では自律神経の乱れがツボ押しで改善できる理由について解説します。
また首や手足、頭部に存在する自律神経の乱れに効果的なツボを5つ紹介。
おすすめのセルフケア方法もお伝えするので、どうぞ参考にしてください。
自律神経の乱れをツボ押しで解消できる理由
自律神経の乱れをツボ押しで改善できるのは、反射が起こったり、リラックスできたりするからです。
ツボ押しで自律神経の乱れが整う理由について詳しく解説します。
反射が起こるから
ツボを押すと、その刺激が脳に伝わり、そこから自律神経に影響を与えられるといわれています。
この反応は、体性-自律神経反射と呼ばれていて、現代医学で鍼灸の効果を説明する際に持ち出されるメカニズムです。
鍼灸のツボ刺激で内臓の調子を整えられるのは、体性-自律神経反射があるためだと言われています。
リラックスできるから
ツボを刺激すると気分的にリラックスできます。
リラックス感は自律神経を整える際に、とても大切な感覚です。
日頃からストレスや疲労をためて緊張状態にある人は、リラックスできづらい体になっています。
リラックスしづらいと、心身が常に緊張状態にあるため、眠れなかったり、イライラしやすかったりするのです。
不眠や怒りを放っておくと、やがて自律神経の乱れにつながります。
以降で解説するツボを刺激するとリラックスできるようになり、自律神経が整いやすくなるので、ぜひ実践してみてください。
首のツボ
首がこると自律神経が乱れやすくなるといわれています。
とくに、胸鎖乳突筋と呼ばれる筋肉が緊張している場合、自律神経が乱れていることも多いのです。
完骨と呼ばれるツボを刺激して胸鎖乳突筋を緩めて見てください。
胸鎖乳突筋は首にある筋肉で、自律神経の乱れによる緊張が現れやすい部位です。
胸鎖乳突筋について詳しくは、次の記事も参考にしてください。
完骨(かんこつ)
完骨は、乳様突起と呼ばれる骨の後下方にあります。
完骨の押し方
後頭部の骨(乳様突起)向かって押すとしっかり刺激できます。
いた気持ちのよい刺激で押させるようにしてください。
手のツボ
手の指先には、井穴と呼ばれる鍼灸では重要なツボがあります。
井穴は特定のツボを指すのではなく、複数のツボをまとめて指す言葉です。
自律神経を整える際は、井穴を特殊な方法で刺激する鍼灸の流派も存在します。
また自律神経が乱れた際には、手の指先を挟むようにもみほぐすように指導する医師も存在するようです。
手の指先をほぐして、自律神経を整える方法は「指もみ」とも呼ばれますよ。
井穴(せいけつ)
井穴は、次のツボをグループにまとめたものを指します。
- 少商(しょうしょう)
- 商陽(しょうよう)
- 中衝(ちゅうしょう)
- 関衝(かんしょう)
- 少衝(しょうしょう)
- 少沢(しょうたく)
ちなみに、足の指にも井穴はあります。
井穴の押さえ方(指もみ)
上の写真のように指を1本ずつ、両端から人差し指と親指で挟むように刺激をすると自律神経を整える効果が期待できます。
いた気持ち良いくらいの刺激いいですよ。
指もみ、ぜひやってみてください。
足のツボ
足に刺激を与えると、リラックスや休息の際に働く交感神経を高める効果が期待できます。
自律神経を整えたい場合は、リラクゼーションやリラックス効果が期待できる湧泉を押してみるとよいでしょう。
湧泉(ゆうせん)
湧泉は足の裏にあります。
土踏まずよりも指よりにあり、足の指を全て曲げて凹みが出来た部分が湧泉にあたります。
湧泉の押し方
湧泉を押す場合は、親指で少し力を入れて押すとよいでしょう。
足の裏を少し強めに押した方が、刺激を与えやすいのです。
頭のツボ
頭のツボを刺激すると、頭部の血管が広がって血圧が下がります。
血圧が下がることで、イライラしなくなったり、リラックスしたりする効果が期待できますよ。
ヘッドマッサージを受けると眠くなるのも、頭部のツボ刺激でリラックスできているからですね。
ここでは、自律神経の乱れで起こりがちなめまいや耳鳴り、頭痛に効果があるといわれる太陽や角孫を紹介します。
太陽(たいよう)と角孫(かくそん)
角孫は耳の真上に位置します。
太陽が位置するのはこめかみの辺りで、目じりから外側の少し凹んだところです。
角孫の押し方
角孫は骨に向けて垂直に刺激を与えると、痛みがでます。
そのため、上方へと少しスライドさせて持ち上げるように刺激をすると心地よいツボ押しができますよ。
太陽の押し方
太陽も角孫と同じく、人差し指もしくは親指で上方へと持ち上げるようにツボ押しをすると気持ちよいです。
自律神経を整えたい場合は、刺激は優しく気持ちよい感覚で行った方が効果があります。
自律神経の乱れを解消するために重要なこと
自律神経の乱れを解消するためには、生活習慣を整えることも大切です。
なぜなら、自律神経が乱れには多く場合、生活習慣の乱れが影響しているこも多いからです。
たとえば、次のような点に注意して生活をすると自律神経が整いやすくなります。
- 起床時間と就寝時間を揃える
- 暴飲暴食をしない
- 体を冷やさない
- 禁煙をする
- 適度に運動をする
またツボ押しと合わせて、次のようなセルフケアを取り入れるのも有効です。
ツボ押し以外で自律神経の乱れを解消するためのセルフケア
自律神経の乱れを解消するためのセルフケアはさまざまですが、私からはとくに以下をおすすめします。
- 入浴をする
- 散歩をする
- 深呼吸をする
入浴をする
入浴をすると、深部体温が適度に低下して睡眠をとりやすくなるので、自律神経を整えるのにおすすめです。
また全身の筋肉の緊張がゆるみ、血行もよくなるのでリラックスしやすくなります。
厚生労働省によると、寝つきをよくするためには就寝の2~3時間前に入浴することを推奨しています。
また温度と入浴時間を次のようにすると寝つきへの効果が期待できるようです。
- 38度のぬるめのお湯で25~30分
- 42度の熱めのお湯で5分程度
散歩をする
散歩をすると、入浴と同じく、全身の血行がよくなり凝り固まった筋肉をほぐす効果が期待できます。
また自己肯定感を高めたり、不安を軽減したりする効果も期待できるようです。
自律神経が乱れると理由もないのに不安を抱えることもあります。
散歩をして自律神経の乱れによるネガティブな感情を開放しましょう。
朝方に散歩してスッキリするのがおすすめです。
次の記事では朝からウォーキングをする効果や習慣化のコツを紹介しているので、参考にしてください。
深呼吸をする
呼吸は、無意識に働く自律神経と、意識すると働く運動神経の両方で支配されています。
そのため、運動神経を介して意識的に呼吸をコントロールすると自律神経を整える効果が期待できるのです。
ストレスや不安を抱えると、気づかないうちに呼吸が浅く、早くなっていることが多いものです。
呼吸が浅くなっていることに気づいた場合は、深呼吸をしてみるとよいでしょう。
ヨガが自律神経を整えるのによいといわれるのは、呼吸を重視しているからかもしれませんね。
ツボ押しで自律神経を整えてみよう
自律神経の乱れを整えたい場合は、ツボ押しをしてみるのもおすすめです。
今回は首や手足、頭のツボのなかから自律神経の乱れに効果を発揮するものを紹介しましたので、ぜひ実践してみてください。
自分で自律神経の乱れを整えるのが難しい場合は、鍼灸を利用してみるのもおすすめです。
次の記事では、鍼灸で自律神経の乱れが整うメカニズムを解説しているので、ぜひ参考にしてください。