とくに重いものを運ぶわけではない草取り。
しかし、しゃがんだ姿勢を維持する必要があるため、意外と腰や背中に大きな負担がかかり、痛めることもあります。
腰や背中への負担が少なく、楽に草取りをできる姿勢を模索している人も多いのではないでしょうか。
今回は、草取り中の楽な姿勢のとり方を解説。草取りで腰が痛くならない方法や、作業後のセルフケアも紹介します。
この記事を見ると、楽に草取りができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
このページを書いた人
東 大輔(ひがし だいすけ)
熊本県熊本市出身・在住の柔道整復師、鍼灸師。
ひがし鍼灸整体院の代表を務める。
臨床歴約10年で鍼灸と整体施術により、健康に悩む人の回復をサポート。
草取り中の楽な姿勢のとり方
なるべく楽な姿勢で草取りをしたい場合は、腰や背中に負担のかからないしゃがみ方をすることが大切です。
ここでは、膝を立てて座る場合と両膝を折り曲げて座る場合における楽な姿勢のとり方を解説します。
膝を立てて座る
膝を立てて座ると、膝に身体を預けられるため、楽な姿勢で草取りができます。
立てた膝で体を支えられるため、背中や腰が丸くならずに済みます。それにより、体への負担を減らして楽に草取りが可能です。
しかし片方の膝を地面につく必要があるため、服が汚れます。
汚れてもよい服装で草取りをするか、次に紹介する方法を試してくださいね。
股を開いて後ろ重心で座る
膝を地面につかずにしゃがむ場合は、股を開いて重心が後ろになるように意識するやり方もおすすめですよ。
その際に、腕は膝の内側を通して前方へと伸ばすようにしましょう。
ここでは、膝を地面につかづにしゃがんだ場合のよい例と悪い例を紹介します。
【よい座り方】股を開いて膝の内側から腕を前に伸ばす場合
股を開いて後ろ重心で座ると、少し腰を伸ばしやすくなるため、楽な姿勢で草取りができます。
さらに膝の内側から腕を通すと、腰を伸ばしやすくなり、背中や腰に対する負担の軽減が可能です。
しかし股関節が硬い場合は、股を開いて座ることが難しいかもしれません。
下半身の筋力が弱いと、重心を後ろに移した場合、後方へとひっくり返ることもあるでしょう。
ヒップリフトやスクワット、各種ストレッチで股を開いてしゃがめる体づくりをすることもおすすめです。
次の記事では、肩こりや腰痛を解消するためのトレーニング方法を紹介していますので、参考にしてください。
【悪い座り方】股を閉じて膝の外側から腕を前に伸ばす場合
一方で内股の状態でしゃがみ手を膝の外側から前方に伸ばすと、必然的に腰も丸くなるため注意しましょう。
腰や背中が丸くなると、体への負担が増加して、腰痛や背中の痛みにつながります。
草取りで腰が痛くならない方法
草取りで腰が痛くならないように、さまざまな工夫を凝らすことも大切です。
ここでは草取りで腰が痛くならない方法を4つ紹介します。
適度に休憩を挟む
適度に休憩を挟んで、立ちあがったり、体を反ったりして丸くなった腰を伸ばすようにしましょう。
ずっと継続してしゃがんだ姿勢を維持することは、腰痛の大きな原因です。
しゃがんでいる間に、曲がった関節部分で血行が悪くなり、しびれたり、筋肉がこわばったりします。
草取りに集中し過ぎにずに、10分程度を目安にこまめに立ち上がるようにしましょう。
草取り椅子を使う
草取り椅子に座って草取りをするのもおすすめです。
草取り椅子を使う場合は、なるべく腰や背中を曲げないようにした方が痛くなりづらいです。
下の画像は左側が良い座り方で、右側が腰に負担がかかる座り方です。
草取り椅子に座った際に、腰や背中が丸くならないようにするためには、胸から身体を倒すイメージを持つとうまくいきます。
また草取り椅子を使う場合は前傾姿勢を維持させずに、身体をこまめに起こすようにすると背中や腰の疲労を軽減できます。
立って草取りをする
ホーと呼ばれる道具を使って、立った状態で草取りをすると腰への負担を大幅に軽減できます。
実際には、立ったままで草取りを完結させることは難しいため、しゃがんだ姿勢と立った姿勢を組み合わせて腰への負担を軽減させるとよいでしょう。
草取りホーを紹介しますので、興味がある方はお試しください。
立って太ももの裏を伸ばす
草取りの合間に太ももの裏をストレッチするのもおすすめです。
草取り中は膝を曲げているため、太ももの筋肉が圧迫され、縮められた状態。血行が悪くなりこわばりやすい部位です。
次のように立った状態で足を前に出し、体を前傾させると太ももの裏側を伸ばせます。
腰を曲げずに身体を前に傾ける点がポイントです。
こまめにストレッチすると、ハムストリングスと呼ばれる筋肉が柔軟になり、猫背の原因となる骨盤の後傾を予防できます。
詳しくは下記の動画を参考にしてください。
草が少ないうちに除草剤をまく
草が少ないうちに除草剤をまくのも草取りによる腰痛を予防するための1つの手段です。
除草剤をまくと、しゃがみ込まずに雑草を取り除けるため、腰への負担を軽減できます。
筆者が草取り中に使っている除草剤はラウンドアップです。
草取りが欠かせない田舎の住人の間では有名ですが、まだご存じない方は参考にしてください。
草むしりの後におすすめの腰痛解消ストレッチ
草むしりのあとはストレッチをして体をリセットさせましょう。
ストレッチをすると草むしりでこり固まった筋肉をほぐせるため、次の日に残る筋疲労を軽減できます。
3つ紹介しますので、参考にしてください。
腸腰筋のストレッチ
草取り後に腸腰筋のストレッチをすると、腰痛を予防できます。
草取り中のしゃがんだ姿勢は、腸腰筋と呼ばれる股関節の筋肉を縮めた状態であるため、凝り固まっているのです。
しっかりストレッチして、草取り後の腰痛を予防しましょう。
【腸腰筋のストレッチ方法(右側をストレッチする場合)】
1.左側の足の裏と右側の膝が床についた状態になる
2.左側の足を前方へと出す
3.腰を反らずに身体を床に向けて鎮める
腰が痛い場合は上半身を前傾させるとよいでしょう。腰痛がある場合は、腰に負担がかかっていますので痛みのない状態でストレッチをしてください。
臀筋のストレッチ
臀筋も草取り中のしゃがみ姿勢で凝り固まりやすい筋肉です。
臀筋とはお尻にある筋肉を指します。
次のように椅子に座ってストレッチするとよいでしょう。
【臀筋のストレッチ方法】
1.椅子に座り、伸ばす方の足を反対側の膝上にのせる
2.膝上に足を載せたまま胸から身体を前に倒す
腰を曲げずに、骨盤を前に傾ける点がポイントです。
ハムストリングスのストレッチ
草取り中は膝を曲げる状態を継続させるため、ハムストリングスは縮んで凝り固まりやすくなっています。
仰向けの状態でストレッチして、凝り固まった筋肉をほぐしましょう。
【ストレッチの方法】
1.床に仰向けになる
2.太ももの裏側を持つ
3.膝と股関節を同時に伸ばしながら足の裏が天井に近づくようにする
ストレッチポールの利用もおすすめ
草刈りの丸くなった姿勢を一気にリセットするためには、ストレッチポールを利用してみるのもおすすめです。
ポールの上に仰向けになるだけで、一気に縮んだ筋肉を解放させることができます。
ストレッチポールについては、次の記事を参考にしてください。
腰や背中に負担が少ない楽に姿勢で草取りをしよう
腰や背中が丸くならないような姿勢でしゃがむと、腰痛や背中の痛みを予防しながら楽に草取りができます。
今回は草取りが楽になる姿勢や、草取り後のセルフケアの方法を紹介しましたので参考にしてください。
腰痛でお困りの場合は、熊本のひがし鍼灸整体院にご相談ください。